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これは井上涼のブログです


by PeNeRoPe963_frien




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わたしはゲイですよ、と頼まれてもないけどカミングアウトしはじめてから5月13日で9年になりました。こんにちは井上涼です。毎年このブログにはそのとき考えていることをダラララ~っと書いてきたので、今年も誰にも頼まれてないけど書いておきます。毎年読んでくださっている奇特な方にはくりかえしになりますが、最近テレビなどでわたしのことを知った方もたくさんおられるので、あらためてわたしがどうしてカミングアウトしたのかを書いておきます。長文まとめられるかしら…。


ただ、これらのことは私個人の体験からくることであり、他のゲイの人もみんな全く同じように考えているかというとまた違う、ということをご理解ください~。


2005年の5月にわたしは↓この作品を作ってカミングアウトを始めました。美術大学の3年生の時です。ひまな時にご覧ください。







「男の人を好きか女の人を好きかなんて個人的なことだから、どうして自分から発表するのか必要性が分からない」と会社員のとき先輩から言われたことがあって、そう言いたくなる気持ちもわかるなあとは思うのですが、わたしがカミングアウトしたかったのには大きな理由がふたつありました。
ふたつの理由は、根元までたどればひとつなのかもしれないけど「理由はふたつありました」って書いてみたかったからふたつだということにします。ぐへへ




ひとつめは「好きなもののことを好きと言えないのがつらい!から」でした。
もともと私は、ムキムキでガハハって笑うような男!俺、男!というタイプではなかったけど、カミングアウトする前は「ゲイだとバレないように、世の男性が好きじゃなさそうなものを好きだというのはやめよう」と努めていました。たとえば少女漫画(いまは男の人も好きって普通に言うけど)、ピンク色、セーラームーン、スカート、ハイヒール、などなど。ピンヒールで踊る安室ちゃんには昔から憧れていましたがそのことは言えませんでした。(←言えない、という言い方は被害者っぽくていやだけど)
そして、「瑛太かっこいい!」「ジョセフゴードンレヴィットかっこいい!」といった、かっこよくて好き~な男性について話すこともしませんでした。
「気持ち悪」と言われるのが怖かったからです。今でも怖い!


好きなもののことを好き好き言うのはとても楽しいです。わたしは「ものを好きになりやすい」少々おめでたい性格をしていて、日常に好きなものがあふれています。(苦手なものも多いですが)
だから好きなものを好き~っと単純に言えないことは大きなフラストレーションになっていたのです。ということでカミングアウトしました。これが理由のひとつめ。




(長文で息切れ中)





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ふたつめの理由は「日常でつくウソが多くなりすぎる!から」です。
ゲイだということを隠していることは、私にとって性別を隠しているようなもので、オスカルが大変なように(オスカルとはまた事情が違うけど)(そしてベルばら読んでないけど)、あちこちでウソをつかないといけない生活はちょっと大変です。
彼女がいることにするとか、「どんな女性がタイプ?」と聞かれた時にはこう答えようとか、笑い方や手の仕草も意図的に(しかし過剰になりすぎないように)すこし男風にしたりして、ウソをついたり気をつけたりすることがたくさん増えるのでした。
「この人は私が女っぽくても男っぽくても気にしないタイプかな?」「この人はゲイとかそういうのには全然理解してくれなさそうだな〜、気をつけよう」と周囲の人のことを測ろうとしてしまうし、あまり気が休まることがありません。

そこにさきほども書いた、わたしが元から持っている「好き好き言いたい」性質(こう書くと私ってJ-POP)が真逆の圧をかけるので、窮屈でものすごく外に出たいけど怖くて出られない、というようなまさにクローゼット状態でした。それが嫌で嫌でしかたなかったのでカミングアウトしました。これが理由のふたつめです。





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カミングアウト以降の生活がどう変わったかというと、あれかわいい・これかわいい・あの人かっこいい・この人もかっこいい、と好きなものを好きだとハッキリ言えるようになりました。周囲の人の考え方には無限にバリエーションがあるので、発言する時の怖さはいつでもありますが、それでも生活はずいぶん変わりました。楽になったのです。よかった!


と同時に、周囲の人の困惑を目の当たりにもしました。私は今年(2014年)の3月までの7年程度、会社づとめをしていたのですが、会社生活においてはある種の「わかりやすさ」が求められるように思います。「この人は男、だからこう振る舞うだろう」「この人は40代、だからこういうことを言うはず」といった予測のもと、人は人と接しているようです。友達同士であれば、よりお互いを知っていく中で「この人は、発言は男っぽいけど家具(?例えが変か?)はかわいいものが好きなんだな」とかその予測から外れる部分も受け入れていけるんだと思うのですが、会社の中では効率よくものごとを進めることを求められるからなのか、予測とちがうイレギュラーに面するとみんな少し困ってしまうようでした。これはちょっといやだった。



「井上くんは男として扱えばいいのかな?でもなんか発言は女だな…。でも完全に女ってわけでもないし。???」と周囲の人が考えている瞬間をたくさん目にしました。そのたびなんとなく申し訳なくなったりしつつ、でもカミングアウトしてしまったししょうがないかと思い直して過ごしました。誰かを責めたいのではありません。私も「この人はきっとこんなだろうな」という予測をもって人を見ているし、そこから外れると「あれれどうしようかな」と困りますもの!大事なのはその予測から外れた人に会った時に否定に走らないことと予測のバリエーションを増やすことなのでしょう。




(長文で息切れ中)




話は変わりますが、
私は毎日のように近所の喫茶店に行っていて、毎日行きすぎて店員さんから「いのっち」と呼ばれるまでになっているのですが、そのお店には年配のお客さんが多くて、よくお会いする方は私にあいさつしてくれたりします。大好きなお店なのですが、ときどき聞こえてくる会話の中に「さっきのお客さん(←井上のことではない)オカマっぽかった。気持ち悪いね〜」といった言葉が混じっていることがあります。そんな時わたしはとても恐ろしい。ネット上には女装している私の写真とかムービーとかいっぱい出てるし。。。苦笑(”v”)
いまでも地域とか世代とかによってゲイやその他のセクシュアルマイノリティ(レズビアンとかバイセクシュアルとか少数派の性的志向をもつ人のことだそうな)に対する否定というのはくっきりとあるのでした。

そんな中、最近知り合った年下のゲイの人は「権利は勝ち取るものです」と言っていました。勝ち取るということが具体的に何をすることなのか、私にははっきりイメージはできないけど、「待っていない」ということなのかもしれません。





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テレビなどに出させていただいたことで、私の知名度はすこしずつ上がっています。ま〜だ〜ま〜だ〜微妙なのですが。「知名度」というのは扱いの難しいパワーだけど、正しく使えばセクシュアルマイノリティにとっての、より「苦しくない」生活ができる助けになるかもしれません。でも「誰かのために」という考えはモロハソード(諸刃の剣をおもしろおかしく言おうとトライした言葉)だから、気をつけつつ何かできたらと考えています。出馬とかはしません。




ダラララ〜と今年も思いつくままに書きました。毎年こういうのを書くことが、どこかの誰かの何かを楽にすることがありますように。逆に誰かを重たい気分にしませんように。私は今年も生まれてよかったと思っています〜。


これまでの文章はこちら↓から
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8周年時→
7周年時→
6周年時→
5周年時→


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# by PeNeRoPe963_frien | 2014-05-24 19:32 | Comments(49)

井上涼のうろ覚えグルメ


こんにちは。幻冬舎plusというサイトに食にまつわるコラムのようなものを掲載していただきました。料理の写真を撮るのを忘れてばかりいたのでぜんぶイラストにさせてもらいました。幻冬舎の志摩さん、ありがとうございました。



↓画像をクリックするとサイトに行きます〜


井上涼のうろ覚えグルメ_d0151007_10405970.png

# by PeNeRoPe963_frien | 2014-05-13 10:23 | Comments(6)

最近のこと


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こんにちは井上涼です。
3月からの新しい環境にも慣れてきました。毎日、アニメを作ったり歌を歌ったり打ち合わせに行ったりしています。会社員の仕事と両立していた時の「頭割れそう!」という大変な感じはなくなり、「作品を作ることが仕事である」というシンプルな状態になれて、頭の中が少しラクです。

そんなわたしの今の日常がすこし出てくる、4月27日17:55〜18:00放送の、Eテレ「ご存じ?びじゅチューン!」をよければごらんください。5月4日からの「びじゅチューン!」の舞台裏を紹介する番組です。




最近のこと_d0151007_7274843.jpg




このまえ実家に帰省しました。散歩すると、タンポポとれんげと菜の花がこれでもかと咲いていて、つくづくのどかな場所で育ったんだなー、と改めて実感しました。それがいまや東京に住んでテレビに出してもらったりしてさ!げへへ




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そんな私の出身地と同じくらいのどかな横須賀。そこにある横須賀美術館で、展覧会に参加することになりました。7月12日〜8月31日「こどもと美術を楽しみたい! キラキラ、ざわざわ、ハラハラ展」
夏休みにこどもと一緒に、もしくはこどもと一緒じゃなくても、横須賀におこしください。海水浴がてら…。美術館の目の前が海なのです。「こどもにウケるであろう。くっくっくっ」ということで忍者の作品を用意しております。展示室がデカいので私は今からハラハラしています。



新しい環境になって、変わった部分と変わってない部分があるように思います。その変わらなかった部分こそがもしかして私の核なのでは?と思い至り、何が変わらなかったか考えたら彼氏を募集しているということぐらいしか思いつきませんでした。それは冗談です。ではまた〜
# by PeNeRoPe963_frien | 2014-04-26 07:43 | Comments(9)

びじゅチューン!が毎週放送になります_d0151007_8152597.jpg

こんにちは井上涼です。
↑この絵はTwitterで流行っていたので時代に媚びるため描きました。
昨年からちょこちょこ放送していたEテレ「びじゅチューン!」が5月から毎週放送になりました。世界の有名な美術作品を井上の作った曲とアニメで紹介するというこの番組。
毎週新作を放送するには私が間に合わないので、新作 → 再放送 → 再放送 → 新作 →…、という3週に1こ新作を放送するという形をとり、じりじりとやっていくことになりました。
Eテレの皆さんに騙されていないことを願うばかりです。ありがたやありがたや。

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Eテレ 「びじゅチューン!」
5月4日から毎週日曜17:55〜18:00
4月27日同時間に「ご存じ?びじゅチューン!」という舞台裏を紹介する番組もあります。
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アーティストをときどき名乗ったりしている割に美術のことも音楽のこともこの番組をやらせていただくことになってやっと勉強しはじめた愚かな私。コンテクスト、文脈、という単語(←美術の本にやたら出てくる)を見ると逃げたくなってしまいます。でもいろいろな美術の作品はそういう勉強不足な私にも感動できるようなところが必ずあるので、その部分を毎回毎回かたちにしていけたらと思います。
# by PeNeRoPe963_frien | 2014-04-16 08:49 | Comments(14)

この春から環境を変えるにあたり、これまでお世話になったみなさんが送別会(第2弾)を開いてくださいました。わたしの名前が涼だから納涼祭です。会場の飾り付けまでしてあって、みんな忙しいのにそんなにわたしが好きですかと誇らしい気持ちになりました。
(以下、写真はいろんな方から勝手に拝借しました)

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↑しかたさんはシャイなのでイラストにしておきました

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ほかにもいろいろ載せたい人がいるけど、勝手に載せたら怒るかもしれないからやめておきました。



自分のための送別会でみんなが楽しそうにしているのをこの目で見るというのは、未体験な幸せでした。いままで何十回と送別会をしてきたけど、いちばん私らしい会(まあこの会の他に私らしい会などあるはずもありません)でした。自分のやってきたことの正しさや年数や周囲の役に立ってたのかとか、そういったことが送別会にぜんぶ出ている気がしました。送別会から察するにわたしはだいたい間違えていなかったようです。

大好きな先輩たださんと、会社で誰がかっこいいかトークをするのが毎日の楽しみでしたが、そこでランキング1位にたびたび輝いていたかわちゃんに抱きついて眠ったりもできたので大変満足です。


同期のかんちゃん、会を開いてくれてありがとう。
私は毎日絵を描いたり歌ったり(笑)しています。
# by PeNeRoPe963_frien | 2014-04-05 19:59 | Comments(3)